新型コロナ考

新型コロナの怖さ

新型コロナこと、COVID19は当初予想した以上の流行を起こし世界の各国で感染そのものによる病死者を増やすだけでなく、医療崩壊やロックダウン、経済活動の低下など様々な問題を引き起こしています。もともと従来のコロナウィルスは風邪の原因ウィルスの一つであり、当初は「インフルエンザよりも軽度の症状」を起こす程度といわれていました。しかし、軽症者だけではなく血栓症や肺炎を起こす重症者がおり、死に至る方もいることで、どこからともなく忍び寄りいつの間にか感染する危険性と自分や周囲の誰かを重症化させる恐ろしさをもたらす最悪のウィルスと認識されつつあります。

封じ込めから重症化対策に

全世界規模でこれだけ拡がり、また現状、感染者の9割以上は命にかかわらない症状であることから、今後も感染者が生まれ続ける可能性はあり、COVID19自体の撲滅は風邪やインフルエンザの撲滅と同じくらいハードルが高いと思われます。COVID19による重症化を防ぐためにワクチンや特効薬が待たれているのはそのためと思われます。以下私の浅い理解ですが、重症化の一因は肺に浸出液が出て文字通り肺が水浸しになることでそのため、人工呼吸器ではなく、ECMOで血中の酸素濃度を維持しないといけないこと、そしてもう一つは血栓症で脳梗塞などを起こすことの様です。サイトカインストームによる免疫システムの暴走により、複数の臓器で炎症が起きる結果のため、心臓や腎臓などでも臓器不全を起こすことがあるようです。

医療崩壊と自宅待機

厄介なのは肺の浸潤も血栓症も、病院で医療機器や集中治療室を使って治療することが早急に必要であり、一度に治療できる人数は限られるうえに、2次感染の危険性も高くなってしまうことと思われます。では、それが起きないようにまたは、起きる確率を減らすことはできないのでしょうか。

コロナと漢方

中国では「清肺排毒湯」という漢方を中心にした治療で重症化を防いでいる様です。~清肺排毒湯は傷寒論処方である,麻杏甘石湯,五苓散,小柴胡湯,射干麻黄湯,茯苓飲に藿香が配合されたような内容で,時期を問わずに幅広く用いる処方として開発された。~「【緊急寄稿】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する漢方の役割(渡辺賢治ほか)」より抜粋。ただし、この「清肺排毒湯」生薬原料を多種多量必要とします。そのままそっくり流用というのは難しいのではと正直感じます。でも、重症化の状態を血管から体組織への水の浸潤と脱水による血栓と考えれば、五苓散である程度何とかならないかと愚考する次第です。幸いといいますか漢方には構成生薬が少ない方がキレが良い(長期処方には向きませんが)という定説もあります。何より五苓散は、熱中症や二日酔い時の体内での水の病的な偏りの改善や脳梗塞後の血腫の改善などにも使用されています。現在、国では既存の薬でコロナに」有効なものを試験中とのことですが、例えば、適応症通り、下痢や頭痛が出た時に五苓散も積極的に使用したり、ECMOや病院が満床で治療できない時、パルスオキシメーターで血中酸素が少し落ちてきた時に、五苓散の服用を開始するなどで乱用を防ぎながら、状態の軽症化が見込めれば、医療資源やスタッフの不足も改善するのでは。などとつらつらと考えております。あくまでも私見に基づく見解ですが。

何より、コロナ感染の増加、拡大により、身体的にも心理的にも閉塞感のある現状が、早く落ち着くのを祈るばかりです。